おふらんす文学プロムナード⑨

おこんばんは、ユリです。
節分コンサート(そんなタイトルではなかったけど!)、無事に終わりました。
会場まで足を運んで下さった方々に心から感謝いたします。
楽屋で恵方巻きをきちんと西南西を向きながらほおばった甲斐あって、会場はほぼ満員でした。学生時代にお世話になった先生方が多くいらしていて、お会いした時には驚きの連続でしたが、再会できて本当にうれしかったです。
その日はとても寒い日で、帰り道には小雪が舞っていました。
ちなみにどれが私でしょうか(笑)?!
正解は左から4番目のずば抜けて小さい茶色い子。こうして遠目で見ると、佇まいが母に似ていることに気付きます(笑)。

今日はうってかわって暖かい一日でした。陽気に誘われて、板橋くんだりから中野区の哲学堂に、アロンゾ・ジャポン(日本での我が愛車:もちろん自転車)と行って参りました。パリのアロンゾは元気かな。あー、突然悲しい気分になって来たー(涙)!アロンゾとはいつも一緒にパリ中を駆け巡っていました。帰国の際に、大事にしてくれそうなピアニストの男の子の家へ養子に出しました。彼と仲良くしているといいけど。しくしく。
パリの部屋の玄関 ~アロンゾを偲んで~

今日は晴天なのに雨の匂いのする素敵な日でした。
雨の匂いと静けさは大好きですけれど、実質的には濡れたり、傘をさすのが面倒なのでどちらかというと嫌い。でも今日はその良さだけを味わえた特別な日でした。

アンリ・ド・レニエの『雨に濡れた庭』という詩があります。雨の匂いが感じられる静かで内省的な詩です。ここにご紹介。拙訳。

窓は開いている;
雨が細やかに
音もなく ひとつぶひとつぶ
新鮮で眠れる庭の上に降っている

雨は一葉、一葉、目覚めさせ
木の埃を落とし緑色に戻す
ぶどう棚はまどろみながらも
壁にからみついているようだ

草は震え、
生温かい砂利は音を立てる
その砂と草の上に 
わずかに足音が聞こえるような気がする

庭はひそかにこっそりと
静かにざわめき、おののく
驟雨が一目、また一目と
地面と空を編んでいく

雨が降っている 
そして目を閉じて聞いている
濡れた庭が、私が心の中に作った影に
水滴を落とすのを

レニエはベル・エポックの詩人です。3月に、ベル・エポックの詩人(マラルメ、ルイス、レニエ)の作品からインスピレーションを得て作曲された曲を集めたコンサートがあります。かーなーりー、マニアック!共演者は皆様、パリで活躍された方ばかり。場所は永福町にあるソノリウム。こちらは音響学の専門家と建築家が手を組んで作った、室内楽専門のホールです。
このホールには以前から興味津々。楽しみです。


私が歌うのは、ドビュッシーの『ビリティスの3つの歌』、ルーセルとゴベールによる『雨に濡れた庭』、そしてルーセルとカプレによる『秋の夜』の計7曲。

もし、チラシをご覧になってご興味を持たれたフランス音楽ハイパー上級者の方がいらっしゃいましたら、是非ご一報ください!ご案内いたします。ただ、コンサートは解説(お話)がつくようですので、ご安心くださいませ(笑)。

フランス芸術マニアの世界を垣間見たい人、必見です。フフフ。

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# by courtepaille | 2010-02-09 23:41 | 文化・芸術 | Comments(0) 

クルト・パイユが表紙に!!


ジャジャーン!
結成から5年、ついにクルト・パイユが表紙に登場(涙そうそう)。

アップにしたろっと。


新しく始まるパルテノン多摩主催、水曜サロンコンサートが紹介された冊子です!
パルテノン多摩News 2月号

それぞれソリストとしての活動があっても、こうしてクルト・パイユとして扱われると、嬉しいものですね~(しみじみ)。

“クルト・パイユ”コンサート
6月30日(水)13:30開演 パルテノン多摩


是非、ご来場くださいませ。あの伝説のオリジナルオペレッタ『軽い女たち』を再々演致します。
毎回、改訂されるこの落ち着きのないオペレッタ、今回は今までの最もくだらないところを中心に取りあげました。好ご期待!

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# by courtepaille | 2010-02-06 01:53 | コンサート・オペラ | Comments(1) 

日本におけるシュールレアリスム

こんにちは、なにかと分類したがりのユリです。
今、シュールレアリスムの詩について勉強しなくてはいけなくて焦っています。私は昔から好きなピリオドというか芸術運動の流れなので楽しいのですが、自主的に勉強するのは楽しくても、やらなければいけない、というのがいや~な感じ。

シュールレアリスムといえば、アンドレ・ブルトン、ルイ・アラゴン、ポール・エリュアール、ギョーム・アポリネールなどがぱっと頭に浮かびます。美術だったらルネ・マグリット、サルヴァドール・ダリ、ポール・デルヴォーなど。でも日本におけるシュールレアリスムについてあまり深く考えたことはありませんでした。詩人で、ぱっと閃く人がいなかったからかもしれません。でも美術の分野では、シュールレアシズムの巨匠、古賀春江がいます。私の好きな画家ではもはやないですね、私の恋する画家です。驚きと称賛をもって彼の絵にはくぎ付けになります。

「窓外の化粧」 私の携帯待受け画像(惚) 神奈川県立近代美術館蔵
※絵画全体の一部です。

代表作「海」 国立近代美術館蔵
※全体の一部です。

彼の『牛を炊く』という詩画集がどうしても欲しいと思っています。でも廃版で、古書屋さんにはあるのですが、1万5,6千円するんですよ。安いと言えば安い、高いと言えば高いでしょ?「買うべきか諦めるべきか、それが問題だ」です。ま、買うだろうな。何かの記念にしようかな。←お金を使うことへの言い訳。

彼は自身の絵に詩を添えることが多い画家でした。私が圧倒的に好きな「窓外の化粧」にも詩が添えられています。印象的なフレーズは

過去の雲霧を切り破って
埃を払った精神は活動する
最高なるものへの最短距離

まるで日本のアラゴンです!

安易な方法でシュールレアリスムについて調べてみると、
作家では安部公房らしいです。私はなぜかあまり好きではありません。中学生の時に『壁』を読んでからなんとなく嫌い~。あ、そういえば、ハルキストであるパリのキャリアウーマン(現在は帰国)のゆきちゃんが、私のために春樹作品について講義してくれたことがありました。私がどうしても夢中になれないと言ったもので。すると安部公房の辺りに分類されるんじゃないの?という話でまとまり、あー、だからあまり好きになれないんだーという結論にいたった“2人カレーパーティー”がありましたね、ゆきちゃん(笑)。

日本が誇る漫画の分野ではつげ義春らしいです。こちらは大好き。『ねじ式』には熱中したものです。あ、私の大好きな浅野忠信主演で映画もありましたね。学生時代、夢中で観ました。ステキだった。でーもー、例えば『ねじ式』をシュールレアリスムに分類しちゃうと寺山修司はどうなるの?!幻想文学に入るのでしょうか。いや、違うなぁ。寺山修司は寺山修司という分類なんでしょうけど、気になる。なんだか分からなくなってきちゃった。

誰か、教えてー。(でた、他力本願)


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# by courtepaille | 2010-02-01 01:08 | 文化・芸術 | Comments(0) 

旧フランス大使館へGo! パート2

そのイヴェント、私も行ったんです!!
はしゃいでいるゆりが写っているでしょ!

「こんなに大胆に壁に落書きしたらストレス発散になるだろうな~。」

あまりにもフランスらしいイヴェントで懐かしい思いに浸ってきました。
日本にいながらフランスを感じられる場所があるって贅沢ですよね。頻繁に中に入れないのが残念ですが仕方ない!この機会を逃さず、思い切り堪能してきました。

あまりにの沢山のアーティストによる祭典で、全部は撮りきれませんでしたが写真をいくつか載せておきます。

この造形美に群がって写真を撮っていたのが若い女性ばかりなのには驚きました。
私もその中の一人でしたが(笑)





私が良くも悪くも最も印象に残ったのは、この料理番組でした。
母親の気持ちも分からず反抗する我が子に、愛憎たっぷりのお弁当を作る料理番組。
途中で気持ち悪すぎて退出なさる方が続出!
一見の価値あり!!











麻理でした。

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# by courtepaille | 2010-01-29 21:35 | クルト・パイユ | Comments(0) 

旧フランス大使館へGO!

その日、だーれも乗っていない電車に乗りました。
違う世界へ連れて行かれそうな不安が取り巻きました。

こんにちは、ユリです。
今月末まで開催されている、『NO MAN’S LAND 創造と破壊@フランス大使館~最初で最後の一般公開』と題されたアートイヴェントに行ってきました。

ジョゼフ・ベルモンが設計した(旧)フランス大使館は、私が留学前にヴィザを取りに行った思い出の地。思い出というより、最初の難関でした。そもそも「ヴィザって何?!」の次元の私でしたから。

今日はなんのストレスもなく、ここを訪れることに喜びを感じていました。入口から私たちの胸をふくらますアートが所せましとお出迎えです。ちなみに入場無料。

このイヴェントのスゴイところは、大使館という普段は閉鎖的な(言い方が悪いですね。一般には出入りできない日本にある外国)建物自体を自由に歩き回れるというところ。しかも、入口から、建物、庭、トイレ、植物など、すべての空間やオブジェがアーティストたちによってパーフォーマンスの媒体になっているところです。

ねー(笑)。面白いでしょ。アーティストさんがその部屋の付近にいてお話できることもあります。
私が猛烈にその世界に引き込まれたのは、デュッセルドルフに住む日本人アーティストの佐藤雅晴さんのパフォーマンス。魅了されすぎて写真を撮ってくるのを忘れてしまいました。詩的な映像を流していました。ご本人とお話させていただきましたが、どうやらアニメーションのようです。誰もいないけれど、確かに人の気配がものすごくする日常の断片を捉えていて、そこにある電話が鳴ります。それはコミュニケーションを求めている機械。いない人への繋がり、または別の世界からの繋がりのようにも感じられます。それでもそこには「人」が大いなる存在感を残しつつ決して誰もいないのです。超短編オムニバス映画をみているような感覚の作品で、長らくぼ~と観てしまいました。素敵でした。私の好きなホッパーの絵のような作品でした。質感は温かいのに寂しくて喉の奥がギュッと締まるような、そんな作品でした。

あ、もちろん、私だけの鑑賞の感想ですからね。他にも素晴らしいと感じるものがたくさんありました。皆さんはどの作品がお気に入りでしょうか?

それから、このイヴェントは31日までですから走って!
って書いた途端に吉報ですよ、皆さん!
今、大使館のホームページを貼り付けようと思って見てみたら、2月18日まで延長されたようです。きっと好評だったのでしょうね。月火水はお休みですからお気をつけて。
フランス大使館“NO MNA'S LAND”←今、日本語のサイトがメンテナンス中のようで、公式ページはフランス語のみ。悪しからず。
オススメですよ。


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# by courtepaille | 2010-01-29 18:56 | 文化・芸術 | Comments(0) 

三河カルメンの会

昨年5月29日(土)30日(日)に愛知県豊橋市において三河市民オペラ「カルメン」が上演されました。日本に帰国してからありがたいことにカルメンをたくさん歌わせて頂いていますが、この三河カルメンは一味違う!!
何がって?!

「ザ・団結力!!」

このカルメンがあったことをきっかけに合唱団のみなさんが強い意志を持って音楽に取り組み、この公演後もさまざまな土地で合唱活動しているというではありませんか!!
地方のオペラでここまでみんなが同じ意志をもって前に進むというのはなかなかできないものです。私の大好きなカルメンで皆さんが(もちろん私自身も)出会い、これを続けていくというのは音楽に対する深い愛情と信念があってこそなんでしょうね。

さてなんで急にこんな話になったのかというと、実は公演直後にこの合唱団の方々が「相可カルメン、二宮ミカエラ、峯島フラスキータ、二塚ホセ、羽淵エスカミーリョを応援する後援会」を作ってくださったのです!後援会の名前は「三河カルメンの会」。毎回、会報を作成されソリスト、合唱団の方々の近況報告などをして頂いています。年に1,2回ソリストを囲んでのパーティーというのが会則にあり、その第一弾の新年宴会がつい先日豊橋で行われました。残念ながらエスカミーリョの羽淵さんは不参加でしたがあとのメンバーは勢ぞろい。


左から二宮さん(ミカエラ)、二塚くん(ホセ)、私、クルトパにもよく登場するのぞちゃん(フラスキータ)

久しぶりの再会にまだお酒も入ってないのにテンションたかーくなってます。
宴会スタート!!

挨拶などがあり乾杯などがあり、さぁ~ご飯、ご飯!!とバイキングの食べ物をとってきたのはいいんだけど、事務局西口さんから「相可さんね、あと5分で歌ってもらいますからね~」
「・・・・え?!もう歌うの?(やっだぁ~食べられな~い)」と思っているうちに出番に。
その後も次々にソリストが歌い、また最後にハバネラをみなさんと一緒に歌いました。合唱のみなさんもノリノリでカルメンに言いよってきます(まぁ、相手にしませんけどね~、カルメンですから、ふふふ)。
あれから多分カルメンの練習はしてないだろうに、みなさん本当によく声がでます。きっとその後もいろいろなところで合唱団として歌っているから本当に自信に満ち溢れています。

ソリストが歌い終わると次は合唱団の中からソロで歌いたい方が4人歌われました。
トップバッターは「リゴレット 女心の歌」イタリア語も完ぺき。

私も大好きな美空ひばりさんの歌。素晴らしかった、とても高音がすてきです。

「初恋」しみじみとみんなが聞きいっていました。

「帰れソレントへ」こちらもイタリア語で歌われてすごい!!


こういう積極的で熱心な歌を皆さん一人一人が歌うことができる合唱団なので、あの情熱的な舞台ができたんだなと改めて感じました。

まだまだ宴会は続くのですが、明日本番なのに大阪から駆け付けたホセ二塚くんはもう帰らないといけないというのでみんなが名残惜しくしてると、突然、彼はピアノの前に座り何かを弾き始めました。


ボエームです、「冷たい手を」です、テノールです!!

なんじゃぁ??!!弾き語りでアリアを歌うテノールは初めてみました、というかこんな人他にいるのかな?
さすが二塚くん、やるね~~、怖いもの知らず(苦笑)

簡単にハイCを出し、颯爽と帰って行きました。あまりのさわやかさに貧血で倒れられたマダムもたくさんいたでしょう。

な~んて。
楽しい夜はこの後もまだまだ続いたのでした・・・。

佐代子

<おまけ> 使用前

使用後

あんまり変わんない?!


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# by courtepaille | 2010-01-25 12:06 | クルト・パイユ | Comments(4) 

フランス音楽を聴きに行こう!Vol.3

暖かいのか、寒いのか、何を着ていいのか分からない日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて2月27日(土)に行われるコンサートのお知らせをさせていただきたいと思います。お陰さまでコンサート・シリーズ『フランス音楽を聴きに行こう!』も第3回を迎えることとなりました。1回目はF.プーランク、2回目はC.ドビュッシーに焦点を当て、おしゃべりコンサートを繰り広げて参りましたが、3回目は“声楽室内楽の夕べ”と題して、オール2重唱のプログラムをお届けします。もちろんクロードとの小芝居付き(笑)。



出演者はクルトパイユ・メンバーのソプラノ、田中麻理と駒井ゆり子。
なぜ今回は2人かというと、パリ・エコール・ノルマル音楽院最高課程の“コンサーティスト・室内楽部門”で、初の審査員満場一致および称賛付きで資格を取得したデュオ。“ensemble d'or(素晴らしく稀なアンサンブル)”と評されたデュオなので、記念にCD制作をしてしまおうという運びになったわけです。

ピアニストは私たちが若かりし頃、盛んにコンクール等で一緒に戦ってくれた岩撫智子。彼女とは10年来の付き合いがあり、絶大な信頼を寄せています。現在は二期会で活躍するピアニスト。

しかし!もちろんクルトパイユはメゾの相可佐代子あってのスーパートリオ!
相可佐代子のCDも欲しいという方は、次回のCD制作をお待ち下さいね!乞うご期待!

さて今回のプログラムはかなりレアなものとなっています。
もちろん有名な曲もありますが、中には音源はもちろん、楽譜さえも日本では手に入らない代物も演奏します。この機会をどうぞお聴き逃し無く!!

またこのコンサートにご来場いただきました方全員に、今年春発売予定CDの特別割引をご用意しております。今回のコンサートチケットの半券を、春以降のクルト・パイユ・コンサートにお持ちくださいませ!
半券と引き換えで割引させて頂きます。

最後にチケットのご用命、お問合せはこちらまで♪
メール : musiquealaise@yahoo.co.jp
携帯 : 09038128850 (小野)

それでは会場で皆様のお越しをお待ち申し上げております!

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# by courtepaille | 2010-01-24 00:19 | クルト・パイユ | Comments(0) 

シャネル&ストラヴィンスキー

こんにちは、ユリです。
突然ですが皆さん、観た方がいいですよ、こちらの映画を。
シャネル&ストラヴィンスキー
シャネルはきっと知らない人はいないでしょうね。でももしかしたら、ストラヴィンスキーのことは知らない、とおっしゃる方もいるかもしれません。

ストラヴィンスキーとは、20世紀のロシア人作曲家です。私の好きな作曲家ベスト10にはかなり上位で入ってきます。私にとってストラヴィンスキーは忘れられない出会いのある作曲家です。

あれは高校3年生の時~。
声楽科である私は、さすがにストラヴィンスキーの曲を歌うことはその頃ありませんでした。ですから、彼についてはお恥ずかしながら名前とバレエ音楽の代表作名くらいしか知らなかったのです。ある日、音楽史の授業でついにストラヴィンスキーと接することになりました。

それにしても3年生の音楽史の授業は楽しかったな~。あ、3年生に限らず、高校時代は最高に楽しい日々でした。日曜日がどうか来ませんように!といつも願っていて、一番つらいのは夏休みでした。早く学校に行かせてくれー!!といった禁断症状が表れたものです。授業も先生もすべてが興味深く、友人もさすがに音楽家ですから面白おかしな人ばかり。あの3年間は私の宝物です。

さて、その3年生の音楽史の授業の教材は「印象派以降」という分厚い辞書のような本でした。
先生は私の大好きだった担任の作曲家先生。カンちゃんという愛称で生徒から愛されていました。寛大でユーモアのある素敵な先生。だから授業中も生徒は自由に感じたことを好き勝手発言します(笑)。

その日は「原始主義」に突入した日でした。「原始主義」とは、このストラヴィンスキーによって始まったといっても過言ではありません。特徴は強烈なリズム感、複調(普通の曲は例えばハ長調のように1つの調で作曲されています。もちろん転調はありますが、ハ長調を演奏している間はハ長調という1つの調が原則。それが同じ時間内に複数の調が同時に現れていることを複調と言います。)、大規模なオーケストラ編成と大胆なオーケストレーションです。この「原始主義」を代表するストラヴィンスキーの作品は、バレエ音楽の『春の祭典』『火の鳥』『ペトルーシュカ』です。でも何と言っても『春の祭典』でしょうねー。

授業も『春の祭典』がテーマに挙げられました。オーケストラの楽譜が配られ、音源がかけられます。音楽史の授業は、高校1年生をスタートに、古いものから順番に勉強していきます。当然最初はグレゴリオ聖歌。ネウマ譜といってグレゴリオ聖歌時代の楽譜の読み方なども習いました。そしてどんどん時代が新しくなり、3年生で20世紀へと進みます。ということは、私たちも時代時代を通って、その時代の鑑賞者と同じように新しい音楽を体験し、勉強することになるのです。

『春の祭典』が楽譜とともに私たちに提供された時、クラスはまるで動物園のように乱れました。ストラヴィンスキーが新しすぎたのです。音楽が強烈すぎたのです。「こんなのは音楽じゃない!」と否定する人も多かったように記憶しています。何しろ先生が自由人だから生徒も自由人。思ったことは授業中みんなベラベラ発表します(笑)。その後、インパクトのあるリズムの部分をみんなでリズム打ち(楽譜を見ながら手で机をたたく)してみよう、ということになり、クラスはますます荒れたことを思い出します。

私はすごく興奮しながら、とても興味を持ったことを覚えています。何か凄いことが起こったな、という衝撃の出会いでした。

前置きが長くなりましたが(笑)、その衝撃のストラヴィンスキー『春の祭典』がパリのシャンゼリゼ劇場で初演された時の模様から、この映画は始まります。音楽とバレエの圧倒的なシーン、そして会場の、まるで高校3年生の音楽史の授業を想起させる混乱。すさまじいオープニングです。

私は初演のニジンスキーの振付も素晴らしかったし、音楽もその時点ですでに良かったのだと思います。現代人だからそう思うのかな。でもとにかく大失敗に終わったこの『春の祭典』が、改訂され再演を迎え成功を収めるまでのシャネルとストラヴィンスキー2人の間に起こる、才能と愛と苦悩と芸術と創造の物語です。

シャネルと言えば私を失笑させる名言集の持ち主。
「香りをまとわない女性に未来はない」
納得するけど、その言い草、どう?!って感じです。もう一つ爆笑した名言があったのですが、今ど忘れ。そして今回の映画でも名言を吐き捨てていましたよ。セリフでしょうけど、本当にシャネルが言っていそうで苦笑の名言。
「2人の女に値しない男ね。」
かっけ~、シャネル。ストラヴィンスキーもタジタジです。

シャネルってスゴイ!の一言でございます。シャネルにひれ伏したくなるような映画です。
映像も美しく、パリもやっぱり素敵。シャネルの別荘でのシーンも多いのですが、ガルシュといってパリ人の憧れの地。あの時代のパリの文化や社会、そして芸術家たちの芸術家としてではない、一人の人間としての部分を垣間見たような気がしました。でも人間、すべての要素があってのアイデンティティですからね~。

最後に私のオススメ“ストラヴィンスキー”を3つ、ご紹介。
ダントツ1位・・・『春の祭典』
ダントツ1位タイ・・・オペラ『放蕩者のなりゆき』
ダントツ2位・・・『ペトルーシュカ』、です。

バレエ音楽の2つはCDが山のように出ています。鑑賞の機会もあると思います。是非。オペラ『放蕩者のなりゆき』は、「原始主義」の次に彼が到達する「新古典主義」の代表作です。音楽に一音たりとも怠惰なところのない傑作です。このオペラは、音楽だけをCDで聴いていても完璧~!とうならずにはいられません。でも演出家にとってはきっと相当やりがいのある作品でしょうから、できるだけ多くの舞台を観たら面白いと思います。日本では残念ながら上演の機会が少ないでしょうけどね~。
ベルギー王立モネ劇場、大野和士指揮のDVDが発売されています。私がパリにいた頃、ブリュッセルまで観に行ったものです。最高でした。演出は鬼才ルパージュ。オススメです。オペラの最後、主人公アンがもはや常人ではなくなっている、かつての恋人トムを子供のように抱いて子守唄を歌うシーンがあります。感動的で静かなシーンです。充足の時間です。このシーンを見ると、私が死ぬ時、同じようにしてほしいと願わずにはいられません。

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# by courtepaille | 2010-01-23 16:15 | クルト・パイユ | Comments(4) 

クリック、クリック~!

今日は暖かかったですね。反面、夜の寒さが身に沁みました、ユリです。

ついにクルト・パイユオフィシャルホームページが軌道に乗りました。
合言葉はwww.courtepaille.netですよ(3Wクルト・パイユドットネットね)。

そういえば、フランスではこのwww(ワールドワイドウェブ)のことを、若者は3Wと呼んでいます。発音は、トロワ・ドゥーブルヴェー。この名前のついたバーがあり、私はよく行きました。最初は、「どんだけ発音しにくい店やねん!」と思っていましたが、今では心の中で読む時にも自然と
「トロワ・ドゥーブル・ヴェー」と発音しています(笑)。

習慣って恐ろしいですね~。
パリにいれば日本語を理解する人が少ないので、日常生活で何かカチンとくることがあると日本語でよく文句を言っていたものです。習慣で日本にいても日本語で悪態をつかないように気をつけてくださいね、麻理ちゃん!オーララ、ピュ×~×!!とかやめてくださいね、わははー。

ほいなら。

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# by courtepaille | 2010-01-22 01:37 | クルト・パイユ | Comments(0) 

オルロフスキー

こんにちは、佐代子です。
一昨日、久しぶりにオペレッタ「こうもり」のオルロフスキーを歌いました。といっても今回は抜粋セミステージ。コンサートは三重オペラ協会主催のニューイヤーコンサートで三重県文化会館小ホールでありました。久しぶりに地元三重で第九以外のものを歌いましたが、お客さまもとても暖かく、セリフを言っても「うふふ」ではなく「わはは~」と声を出してみなさん大笑い。これって関西だからかなぁ(汗)←って失礼!すみません。


リハーサルの様子。まだガラ~ンとしてますね。

オルロフスキーといえば、クルトパイユ初期のコンサートにはよくプログラムにありました。しかし男役が続き、ズボンばかりなので「私もドレス着た~~~い!!」とあの当時はよくわがままを言ったものです。

しかし久しぶりに歌ってみたら、やっぱりおもしろ~い!!ズボンも楽ちん!!!(ドレスと違って、ウエストゴムだし~~)なんて考えてました。(まぁズボンでもパツンパツンでしたけどね、麻理ちゃんには内緒)


オルロフスキーのアリア(リハーサル中)あっ、これ私服ですからね。これで本番出演してませんので(苦笑)


二幕、乾杯のシーン。

実は本番は撮れてないのですが、また入手したら載せますね。
平日にも関わらずほぼ満員のお客様、ご来場本当にありがとうございました!!


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# by courtepaille | 2010-01-21 11:18 | コンサート・オペラ | Comments(3) 

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